わたち猫なの 草木塔事始 3

手紙を読む魔女の膝に再び飛び乗る。

魔女 「それどころじゃない暑さだもの。降りて頂戴。そうじゃらけては手紙
    が読めないじゃないの」
ダーク「鰹節くれなきゃ、いにゃーんだもん」
魔女 「仕方がないわね。あげるから降りてお座りして」
ダーク「お手もするにゃーん」

魔女の膝から飛び降りた猫はお座りをし、交互に手を出してお手の動作。
上手に入る魔女とそれに続く猫。魔女、上手から舞台に戻って揺り椅子に座る。猫、ホリゾント下手から登場。
手紙を読む魔女の膝に再び飛び乗る。

ダーク「ねぇ。誰からのお手紙?」
魔女 「草木塔研究家のD博士からよ。会誌に何か書いてくださいっていう申
    し入れだわ」
ダーク「へぇ~、それってお母さんに原稿依頼って事?」
魔女 「そうみたい。でもね、何を書けばいいの? これって難題だわ。学術
    的な話なんて私の柄じゃないし、グラフや写真を使用してもいいなん
    て言われても私が持っているのはホロスコープの束だけ。こんなの公
    開したら稀代の悪法、個人情報保護法違反で手が後ろに回っちゃう」
ダーク「そんな事ないにゃん。お母さんお得意の与太話をうまく纏めて書いて
    あげれば、D博士、きっと喜んでくれるじゃないかちら。和尚様みた
    いにお中元に焼津産の鰹節を贈ってくれるといいなぁ」