わたち猫なの 49

「何のために友達を持つか考えてみろよ。しょっちゅう寺へお茶飲みに来ているあの婆さんの友達がいるだろ。総代長の言っていた50代ぐらいの女にぴったり当てはまるじゃないか」
そうか。そう言われれば全部辻褄が合うにゃん。でも証拠がないからどうしようもないし、和尚様も主もどこへも鬱憤の晴らしようがないのよね。

 ノラと別れてうちへ帰ると、わたちは只今にゃーんと主を呼ぶの。主は自動ドアならぬ人間手動ドアでわたちを中に入れ、全部の足を拭いてくれたの。
 おねだりして鰹節を食べたわたちは、書斎にいる主のところへ行って、
「お母さん、何してたの?」
「今ね、例の妖怪婆ちゃんの星をみていたのよ。天秤座17度の太陽、蠍座3度の水星、そして冥王星は太陽に90度のスクウェア、木星が水瓶座から太陽に120度という具合に生まれついているのよ」
「それってどういうふうに読み解くのにゃん?」
「彼女は周りの人達にとても好かれているでしょ。それは太陽に木星が吉角度を持っているからよ。人に見える場所では働き者だからね」
 裏へ廻ると汚いのは太陽に冥王星が90度だからよ。蠍座3度の水星は人の気を引く才能を表しているしね。話が上手で人たらしの才があるの。金星との角度をみると色気があって可愛い女なのよ。問題は太陽のあるデグリーエリアだわ。暴力と制限のエリアって呼ばれる場所なのよ。ここに太陽があると要注意なの。しばしば犯罪者の出生図に表れる配置と言われているのよ。総合的に見れば、前に聞いた彼女の身の上話とぴったり重なり合う状態のホロスコープよ」